本日、令和7年2月23日(日)、坂戸市大宮住吉神社で行われた祈年祭。
大宮住吉神楽保存会の皆様の神楽奉納を訪ねました。
当委員会では、これまで幾度となくお世話になっている皆様です。
本日の神楽の演目は「六合堅固翁の座」「倉稲魂命種蒔の座」「山幸海幸交易の座」「終祓」の4つ。
風の冷たい半日でしたが、凡そ40名の見学の方がいらしていました。
神楽を見学後は、同保存会の総会・懇親会にお招きいただきました。

保存会の年間活動を内容、収支の内訳からきっちりと示された貴重な会でした。
また、懇親会には行政の方、市県議の方、そして地域の方もいらしており、その「活動の裾野の広さ」がうかがえます。
さらに注目すべきは、保存会に多数の新規加入者がいること。中高生を中心に凡そ10名の皆さんがいらっしゃいました。
一つのものを継承していく過程で、若年層の加入は活動歴の長さに比例するように高いハードルとなるところです(当委員会自体も抱える問題です)。
そこを見事に乗り越えているあり方に、神楽、伝統芸能だけではなく文化財関係の今後の姿を模索する際の貴重なヒントがあるような気がしました。
それは先述した「活動の裾野の広さ」を見たとき、地域や行政の協力、確固たる財務基盤があることで伝統芸能の保存が可能になっているというところだと思いました。
そしてまた、当委員会も外部との橋渡しという点で、先人が保存会と一定の成果を残しています。
それをアーカイブする作業はまた進めていくとして…。
さてはて、今、留守番をしている私としては、これをどうつないでいくかを考えさせられる一日でした。
私個人に地域、行政との関係をコーディネートできるかと言えばそれは厳しく、また財務、要はお金のやりくりができるかと言えばそれも厳しい現実があります。
それじゃ、どうするか、何を為すか、そんなことを帰路に考えました。
その時にふと浮かんだのは、その人が置かれた立場なりのフィールド(現場)〔ここでいうなら伝承という作業〕への向かい合い方があるのではということでした。
例えば、私は埼玉県富士見市の資料館に籍を置く会計年度任用職員です。
その私が県職の人、政界の方、伝統芸能の保存に身を置く方々と同じように伝承に携われるかと言えばそれは「無い」と思います。
ただ、その「無い」ということはネガティブなものではないとも考えます。
自分の置かれた立場でのあり方を模索していくことができると捉えられるのではと思うのです。
そして、その方、その方の有り様が集まって、その上で、今回、大宮住吉神楽保存会の皆様が体現なさっている有り様が一つの成功例として位置するのではないかと考えます。
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まずは「集うこと」。
この必要性を本日、特に保存会の方から直接助言をいただきました。
チームプレイは必須。ただ中々集えないとすれば(留守番歴だけが伸びておりますが…)、それなりに集うときの準備をして、動くしかない、そんなことを考えた一日になりました。
次回はまたフィールドを別の場に移しての投稿・報告になるかと思います。
委員会はまだ何とか生きています。
探訪記と独白になりましたが、まずは本日の記録としてここに記しました。
そして、最後になりますが、本日の報告をさせていただく機会をいただき、また素晴らしい芸だけでなく、お話をさせていただいた大宮住吉神楽保存会の皆様に感謝の意を述べてこの文章を終えたいと思います。
追記
持参した菓子を保存会の若人(中高生)に特に喜んでいただけました。
不慣れで持参するものを選ぶのが難しかっただけにありがたいことでした。
田ノ上 和宏


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